海外FXの法人口座について:メリット・デメリットと対応ブローカーの詳細解説
海外FXでの取引において、法人口座を選ぶことで、個人口座にはない多くのメリットが得られます。しかし、法人口座にも特有のデメリットがあり、全てのトレーダーにとって適しているわけではありません。ここでは、法人口座のメリットとデメリット、さらに法人口座に対応している海外FXブローカーの詳細について、分かりやすく解説していきます。
1. 海外FX法人口座のメリット
法人口座の方が税率が低くなる
法人口座を使用する大きなメリットの一つが、税率です。
個人口座の場合、海外FXの利益は累進課税により、所得が増えるほど高い所得税率が適用されます。最高で45%まで税率が上がることもあります。
一方、法人口座の場合、法人税として利益が課税されます。法人税の税率は一律ではありませんが、一般的には15〜23%程度で、累進課税よりも低い税率で利益を確定させることができます。
個人 所得 | 個人 総合税率 | 法人 所得 | 法人 総合税率 |
---|---|---|---|
195万円以下 | 17.1% | ||
195~330万円未満 | 22.1% | ||
330~695万円未満 | 31.1% | 400万円以下 | 22.4% |
695~900万円未満 | 35.1% | 800万円以下 | 24.86% |
900~1800万円未満 | 45.1% | 800万円以上 | 36.8% |
1800万~4000万円未満 | 52.1% | ||
4000万円以上 | 57.1% |
「法人=法人税、地方法人税、法人住民税、事業税、特別法人事業税を総合した税率」
税率が低くなるタイミング
法人口座の税率が個人口座に比べて有利になるタイミングは、年間の所得(利益がFXの収益+給与など)で330万円を超えるあたりからです。所得が330万円を超えると法人口座の最小税率22.4%を超える31.1%になってしまうので法人口座の方が有利になってきます。個人の所得税は累進課税により、所得が増えると税率が上がりますが、法人税は利益に応じて一定の税率が適用されるため、高額利益を得た場合でも税負担が軽減されます。
法人口座の税率が有利になる具体例
例えば、年間の所得がFX利益の利益、給料などと合わせて800万円の場合:
- 個人口座(累進課税):
- 所得750万円に対して、35.1%の税率を適用すると、約263万円が税金として徴収されます。
- 法人口座(法人税):
- 所得750万円に対して、24.86%の税率を適用すると、約186万円が税金として徴収されます。
この場合、法人口座を利用することで、77万円の税金を節約できる計算になります。
損益通算ができる
損益通算とは、同一法人内で異なる取引や事業の利益と損失を相殺できることを指します。個人口座では、FX取引の損失は他の所得(例えば給与所得など)と損益通算することができませんが、法人では、FXの損失を他の事業利益と通算して、全体の課税対象を減少させることができます。
項目 | 個人口座 | 法人口座 |
---|---|---|
損益通算 | できない | 可能(事業利益と通算) |
繰越控除ができる
法人口座では、FX取引で発生した損失を最大10年間繰り越すことが可能です。これにより、将来的な利益が発生した際に、過去の損失を相殺して課税対象額を減らすことができます。個人口座でも損失繰越控除は最大3年間可能ですが、残念ながら国内FXに限った話で、海外FXでの個人口座では損失繰越控除はありません。
項目 | 個人口座 | 法人口座 |
---|---|---|
損失繰越控除 | 3年間可能(国内のみ、海外FXはなし) | 最大10年間可能(国内海外問わず) |
経費計上できる項目が増える
法人口座では、経費として計上できる項目が増えるのも大きなメリットです。例えば、以下のようなものが経費として認められる可能性があります。
法人口座で経費計上できるもの
・取引に関わる通信費(インターネット料金)
・オフィス費用(賃料、光熱費)
・事業に関連する交通費
・パソコンや取引ツールなどの購入費用
・役員報酬(会社の形態による)
・生命保険料(会社の形態による)
これにより、法人口座ではトレーダーが実際に負担する税金を大幅に減らすことが可能です(特に家賃とかデカいですよね)。
法人口座に対し個人口座の経費計上できるのは以下のようになります。
個人FX口座で経費計上できるもの
・トレード用PCの購入代金
・FX関連の書籍(筆者の場合、経済の本とか有名投資家の本とかも認められた)の購入費
・FXのセミナーの受講費用(領収書出さない悪徳セミナーもあるので注意です)
など経費として計上できるものは少なく、思いっきり高スペックなパソコン買っちゃうとか高額でぼったくりのようなセミナーに参加するしかないですかね、、。
2. 法人口座のデメリット
含み益も課税対象となる
法人口座では、決済していない含み益も課税対象となる点がデメリットです。
個人口座では、ポジションを決済するまで利益が確定しないため、含み益に対しては税金が発生しませんが、法人口座では年度末に含み益がある場合、それが利益として計上される可能性があります。
ただ、実際のところは12月31日の時点での含み益を確認するっていうのは難しいと思います。
相場は常に動いていますから12月31日の何時何分何秒のレートで判断するのかはあいまいなところですよね。
利益を自由に出金できない
法人口座のもう一つのデメリットは、利益を自由に出金できないことです。
個人口座では、取引で得た利益をいつでも自由に引き出せますが、法人口座の場合、出金するためには法人の利益として計上し、役員報酬や配当金という形で引き出す必要があります。
これには、法人税に加えて所得税や配当課税が追加で発生することがあります。
項目 | 個人口座 | 法人口座 |
---|---|---|
利益の自由な出金 | 可能 | 役員報酬・配当金の形式で出金 |
3. 法人口座に対応している海外FXブローカーと必要書類
海外FXのブローカーの中には、法人口座を提供しているところもありますが、個人口座と異なる書類が必要になることがあります。ここでは、Exness、FXGT、AXIORY、HFM、TitanFXといった代表的なブローカーで、法人口座を開設する際の必要書類やボーナスの違いについて解説します。
*残念ながらXM Tradingは法人口座がありません。
法人口座開設に必要な書類
ブローカー名 | 必要書類 |
---|---|
Exness | 法人登記簿謄本、役員名簿、代表者のパスポート・ID、住所証明 |
FXGT | 法人設立証明書、定款、代表者のID、住所証明、株主名簿 |
AXIORY | 法人登記簿謄本、取締役会議事録、代表者のID、住所証明 |
HFM | 法人登記簿、定款、法人代表者のID、株主名簿、住所証明 |
TitanFX | 法人設立証明書、定款、代表者のID、住所証明、法人口座開設のための役員承認書 |
各ブローカーによって必要な書類は多少異なりますが、法人設立に関する書類(登記簿や定款など)や、代表者のID、住所証明書が一般的に必要です。
開設手続き自体は個人口座よりも複雑ですが、正しい書類を提出すれば比較的スムーズに進めることができます。
個人口座と法人口座のボーナスの違い
多くの海外FXブローカーでは、個人口座に対して口座開設ボーナスや入金ボーナスが提供されていますが、法人口座ではこれらのボーナスが対象外となる場合があります。以下の表は、主要なブローカーでのボーナス提供状況を比較したものです。
ブローカー名 | 法人口座のボーナス |
---|---|
Exness | なし |
FXGT | 15,000円の口座開設ボーナスや最大143万円の入金ボーナス |
AXIORY | なし |
HFM | 最大67万円の20%入金ボーナス |
TitanFX | なし |
FXGTやHFMなどは法人口座に対してボーナスを提供していますが、法人口座は対象外となることが多いです。法人口座を開設する際は、ボーナスに期待するのではなく、税制面のメリットや損益通算などの利点を重視するのが良いでしょう。
海外FX法人口座のレバレッジ
海外FXブローカーでの法人口座と個人口座では、レバレッジに違いがあることがあります。一般的に、個人口座の方が高いレバレッジを提供されることが多く、法人口座はリスク管理のためにレバレッジが制限される傾向があります。ただし、ブローカーによってレバレッジの制限は異なるため、具体的にExness、FXGT、AXIORY、HFM、TitanFXを例にそれぞれの違いを見ていきましょう。
1. Exness
- 個人口座のレバレッジ:Exnessは個人口座に対して最大無制限のレバレッジを提供しています。これは、リスク管理の条件を満たしているトレーダーに適用されますが、ほとんどのトレーダーが高いレバレッジを利用可能です。
- 法人口座のレバレッジ:法人口座では、一般的に最大200倍〜300倍までのレバレッジが提供されることが多いです。無制限レバレッジは基本的に法人口座には適用されません。
2. FXGT
- 個人口座のレバレッジ:FXGTは、個人口座に対して最大1,000倍のレバレッジを提供しています。通貨ペアや資金量によってレバレッジが異なることもありますが、一般的に非常に高いレバレッジが利用可能です。
- 法人口座のレバレッジ:法人口座では、個人口座と同様に最大1,000倍のレバレッジが提供されていますが、特定の条件下でレバレッジが制限される場合があります。
3. AXIORY
- 個人口座のレバレッジ:AXIORYは、個人口座に対して最大2000倍のレバレッジを提供しています。このレバレッジは海外FX業者の中でもトップクラスの高さですが、有効証拠金が増えるに連れて最大レバレッジが下がるので注意が必要です。
- 法人口座のレバレッジ:法人口座に関しては、AXIORYでは最大300倍のレバレッジが提供されています。法人口座では、リスク管理の観点から個人口座よりも低いレバレッジが適用されることが多いです。
4. HFM(HotForex Markets)
- 個人口座のレバレッジ:HFMでは、個人口座に対して最大1,000倍のレバレッジを提供しています。多様な口座タイプに応じた柔軟なレバレッジが選択できるのが特徴です。
- 法人口座のレバレッジ:法人口座では、HFMもレバレッジを制限しており、500倍までのレバレッジが一般的です。個人口座よりもやや控えめなレバレッジ設定です。
5. TitanFX
- 個人口座のレバレッジ:TitanFXでは、個人口座に対して最大500倍のレバレッジが提供されています。TitanFXはスプレッドの狭さと透明性を重視しており、レバレッジも高めです。
- 法人口座のレバレッジ:法人口座では最大200倍〜300倍のレバレッジが提供される傾向にあります。特に大口取引や企業向けのアカウントに対しては、より慎重なレバレッジ設定が行われます。
個人口座と法人口座のレバレッジ比較表
ブローカー名 | 個人口座の最大レバレッジ | 法人口座の最大レバレッジ |
---|---|---|
Exness | 無制限 | 200倍〜300倍 |
FXGT | 1,000倍 | 1,000倍 |
AXIORY | 400倍 | 300倍 |
HFM | 1,000倍 | 500倍 |
TitanFX | 500倍 | 200倍〜300倍 |
まとめ:海外FX法人口座はFXGT
海外FXでは個人口座に対し法人口座には何かとメリット(税金面、経費計上など)が多いのですが、ネックとなるのはレバレッジなんですよね。
個人口座に対し法人口座の方がレバレッジの設定が低くなる傾向にありますが、それでも国内FXに比べればレバレッジは高いです。
しかし、せっかく海外FXやるのですから超ハイレバレッジの設定が欲しい所です。
そう考えると、唯一個人口座とレバレッジ1000倍と変わりなく、ボーナスも15,000円の口座開設ボーナスや最大143万円の入金ボーナスのFXGTが良いと思います。
海外FXの法人口座作るならFXGTがよろしいのではないでしょうか。
ただ、取引ツールとかがご自分に合うかどうかとかありますので、まずはFXGTのデモ口座試してみて、それから本口座開設後少資金で試して、、、
それでも大丈夫ということであれば本気の資金でって感じがいいと思います。